すいせい

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このブログはデザイナー樋口賢太郎が綴る日々のことです
2019.01.15

寛容なデザイン

ひとつの世界は、関係や脈絡がないものではなく
その世界観に沿ったものを選ぶことで、より強固で魅力的になっていく。
ほとんどの芸術はそのようにつくられる。

例えば映画だと、絵柄としての世界観が重要になってくるので
ある程度限定された範囲で撮影を行うほうが進めやすい。
ひとつの部屋の中というくくりと、街というくくりだとすると
前者のほうが、進める上でだいぶ楽なのは想像に難くないだろう。
部屋という箱に世界観を壊さない人物やモチーフを登場させればいいからだ。
いっぽうの街にはコントロールできない物事が溢れているので
どうしても難易度が上がってしまう。

デザインも同じで、例えばブランドを構築する際には
コンセプトに沿った要素だけを外さないように、注意深く選んでいく。
色や形、写真のトーン。フォントの選び方。文章のスタイルなど、
それぞれが世界観を構成する歯車のように噛み合う必然性が求められる。
当然ながら世界観に合わないものは、そのセレクトに入っていないほうが望ましい。
ブランドというのは、そういう意味で、囲む線のつくり方とも言えるだろう。

このいわば定石とも言う進め方がうまく行くと、力強いブランドが生まれるが、
そこにある種の息苦しさも生まれるものだなあと最近感じている。

つまり囲む線が強固であればあるほど排他性が生まれてしまい、
外れたものからの反発や、居心地や風通しの悪さに繋がってしまうと考えるからだ。
だったらと言って、逆になんでも受け入れてしまうと、ただ単に秩序を失った混沌ができあがるだろう。

気に入ったものばかりを自分の部屋に置きたいと考えて、
ハードルを上げて選んで行くと、緊張感がただよう美しい空間ができる。
このペン立てでなければ調和が壊れてしまう。モノトーンから外れた色合いの家具は置かない。
壁や床の素材を吟味してさらに完成度を高める。
自分もそのように選ぶことが好きだが、最近は上記で述べたようなことを逡巡し始め、
豊かな環境やデザインに対してもっと別のアプローチがあるのではと考えている。

モダニストの建築家が昭和初期に自分のために設計した邸宅に入ったことがある。
RC造のその建物は多くのものを受け入れながらも成立していた驚くべき生活空間だった。
食卓にはドラッグストアで買ってきたティッシュペーパーがそのまま置かれ、
壁には朝日新聞からもらったカレンダーがかかっていたが、全体が美しく調和していた。
排他性を感じないので、緊張感がただよわず、とてもリラックスできる。

なぜなのか分析していたら、庭を含む建物の完成度が非常に高いからだとわかった。
つまりそれだけ考えられていると、多少の調和を乱す要素が入り込んできても、
受け入れる寛容さが生まれ、建築の質は揺らがないのだった。

豊かなデザインとは、多くを受け入れながらも、秩序を保ち成立する寛容さ。
そう定義付けて、今年の抱負にしてみようか。


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投稿者:advokatsew 2019-01-23 14:11:25


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投稿者:forumsew 2019-01-29 01:14:37

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2018.01.26

大きな目標とはなにか

毎年1月には抱負めいたことを書いているので今年もひとつ。

最近つくづく感じるのは大きな目標って大事だなということ。
仕事においても人生においても、どこを目指して行きたいかという大きな目標やビジョンがあると
結果が自ずと変わってくると考えています。

人生についても面白いと思うのですが、今回は仕事についての話です。

まず仕事には、大きな目標云々言う前に、お金を稼ぐという第一の目的があります。
しかし稼げるのであれば何でもいいわけではない。
稼ぐという意味ではコンビニのバイトでもいいわけですし、
人がやりたくない——例えば深夜——に働くことで正社員よりも効率良く稼ぐことができます。

しかし多くのひとがそうしないのは、やりがいもひとつの目的だから。
やりがいを持つ際に、ただの個人的満足でなく、大きな目標を目指すことが
いい仕事をするポイントになるのではないかと思っています。

自分がデザインを始めて間もないときは、流行りを追いかけたり、
単にカッコよければいいといった、自己満足の追求ばかりでした。
目指すデザインに含まれるものがとても少なかった。
しかし問題解決にも(当然に)きちんと向き合うようになり、
日本や伝統を意識したり、民藝に出会ったり、
だんだんと自我から距離を取ることができるようになりました。
たぶん自我からの距離と、ビジョンの大きさって比例するんです。

話の流れで思い出すのが、ベネチア国際映画祭で宮崎駿が金獅子賞をとったときのインタビューです。
記者から感想を求められて「(受賞は)励みにはならない」と答えていたことが印象に残ってます。
当然と言えば当然かもしれないですが、宮崎さんくらいになると賞を目指して作品をつくっていないんですよね。
宮崎さんのドキュメンタリーなどを見ていると、映画の試写に必ず子供たちを入れて、
どう反応するかをとても気にしているように見えました。
想像ですが、宮崎さんが目指す大きなビジョンとは
「嘘をつくことをまだ知らない年齢の子供たちが心の底から喜ぶこと」なのかもしれません。

大きな目標を掲げることがいいのは、辿り着くまでのプロセスにも意識的になれるところ。
それは、受験をパスするためだけに勉強するのと、目的があって勉強するのとでは
努力の質が変わってくることからも想像できると思います。
納得でき自分自身でも腑に落ちるので、プロセス自体も楽しめるようになります。
賞はあくまで通過点でしかなく、自分が掲げる目標にどれだけ近づいたのかが
評価基準になるってだいぶ健全なことではないでしょうか。

いまのところ自分が仕事において目指しているのは、Aboutにも書いているように

持続可能性 × 伝統 × 地域性

です。

デザインを通して社会がそのような方向に少しでも進んだらいいなあと思っております。
とりあえず今年はプロセス自体を楽しみながら仕事を進めていきたいです。


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