加茂錦のお話 1

現在新潟県加茂市にある「加茂錦」という
日本酒蔵元のブランディングを担当させていただいております。

実は自分が新潟生まれ(熊本育ち)ということもあり
仕事の話をいただいた際はどこか懐かしく
他の仕事とはちょっと違った心持ちでお引き受けしました。

数年前に初めて社長さんにお会いして以来、いろいろな話をさせていただいているのですが
最初はデザインの概念を共有させていただくことから始めました。

世の中でデザインと言うと、何か飾りのような要素を付け加えたり
イラストや絵を描く職種だと思われていることがとても多いと思います。
これは経験則から導きだされた答えなのですが
デザインを依頼された時点でたいてい商品の名前も、売り方も、
ターゲットも、値段も決まっています。
デザイナーに求められていることはただ単にラベルの絵作りだけ。
デザイナーとはイラストレーターのことかと思うこともよくあります。

脚色すること自体を完全に否定はしないですが(言ってる意味が分かる時もあるので)
全ての局面で脚色したり絵を描くことで問題が解決することはほぼ無いと思います。

デザインとはデザインすることで何かの効果を生まないといけません。

簡単に言うとパッケージであれば沢山その商品が売れることがデザインの効果であるし、
ロゴマークであればその会社の目的がなるべく多くの人に認知されるのが効果であります。

それぞれの目的と効果を冷静に考えていくと
単純に何かを飾るということで目的が達成され、効果が生まれるとはとうてい思えないはずです。
時には明治チョコレートのように
何もデザインしないという選択肢が結果的には効果を生むことだってあるはずなので・・。

例えばパッケージにおけるデザインとは、まず初めに優れた商品のアイデンティティを確立し
そのアイデンティティを、そのままパッケージに反映することです。
NO IDENTITY , NO PACKAGE 。つまりアイデンティティが全て。
核となるアイデンティティがぶれていては当然デザインもぶれるので
依頼された時点でアイデンティティがぶれていたら
僭越ながらそちらも修正させてもらわなければなりません。
(余談:これはデザイナーを代表して申し上げるのですが
できればアイデンティティをつくる部分からデザイナーには参加させていただきたい。
その方が結果としてうまく行くし、良い商品ができると思います。)

そういうようなお話をさせていただいて
デザインには全部意味があり、感覚的に情緒的に仕事するのではなく
経営戦略にきちんと即したデザインをしたいとお願いしました。

いま加茂錦でとても売れているお酒に「米袋の酒」というものがあります。

簡単に言うと細長いプロポーションの米袋に酒瓶を入れたお酒です。
新潟は他の県とは違いの日本酒の本場というイメージがあります。
酒どころ、米どころ、ひいては水どころでしょうか。
優れたお米+よい仕込水+適した気候風土なので新潟のお酒は品質が高い。
そのようなイメージをデザインに生かさない手はありません。

そこで提案させていただいたのが米袋のお酒なのです。
新潟のイメージをパッケージにいかせないかと考えたときに
瓶が自然と米袋のなかに入りました。
<続く>

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