




世界に点在する23それぞれのAman resortsが
建てられる場所と強く結びついているのは広く知られていることである。
Amanという同じ傘の下にありながら、ひとつとして同じコンセプトはなく
それぞれの地域に根ざしたローカリティをリゾートにうまく取り入れることで
独自のホスピタリティを提供することに成功してきた。
例えばバリのモヨ島にあるアマンワナではテントに宿泊する。
リゾートでテントとは外連味たっぷりだと思うかもしれないが
その理由はこの島の手付かずの自然を存分に楽しんでもらいたいというコンセプトから来ている。
旅行者は究極的には訪れた国の地域性を感じるために旅行するので
宿泊施設でも地域の文化に根ざしたホスピタリティを感じたいと思っている。
そのことを知っているAmanにとっては
自然が豊かな場所なら雨の音や風を感じられるテントを宿泊に用いることは
当然の発想といえるかもしれない。
かかるAmanが今回の出張先の杭州にあると聞くと、
素通りすることはなかなか難しく、投宿することにした。
中国にはもう一カ所、北京の紫禁城の近くに
宮廷のゲストハウスというコンセプトで展開しているAman at Summer Palaceがある。
一方の杭州のAman fayun(アマンファユン)はお寺のエリア内にあり
他のAmanがプライベートを重視する中、ここは地元融合型のひとつの村がコンセプトとなっている。
古くからお茶の栽培に従事してきたひとつの集落をリゾートとして利用しているので
お坊さんや近隣の人々がリゾート内を通ることが可能なのだ。
いかにもリゾートと言うよりはどちらかというと簡素でしっとりと落ち着いた印象が強く、
けっこう日本人好みかもしれない。

一風変わったフロント

ロビー

ロビー周りのしつらえ
用意ができるまで受付の横のロビーで冷えたお茶を飲みながら窓の外を眺める。
職業病として自分がいまいる空間のつくられ方を分析したい欲求にかられるけれど
それよりも心地よさの方が前に出てそんなことはどうでもよくなってしまう。
石の床に置かれる木製の家具、独特な形の照明、建具や柱の素材感。
全てが調和していることがよくわかる。
受付の棟を出ると森のような所を抜けて小川を渡り客室まで案内される。

amanではリゾート開発する際に木は一本も切らないらしい
小川沿いの道を挟み両側に展開している客室はそれぞれ建物の形が異なっていて、
自分の客室へ行くにはやや階段をのぼりいくつかの角を曲がらなければならない。
画一化されたリゾートとは違って
中国の本当の村に住むようなリアリティを感じさせてくれることが新鮮で面白い。


この建物が宿泊施設


中は50平米くらいの広さのワンルーム。
写真には撮らなかったけど大きめのベッドとシャワールームがある。
豪華絢爛なホテルというと金ピカでデコラティブで
無駄なところにお金をかけましたというところが多いがここは違う。
この空間や調度品はあくまで文化や地域の文脈をきちんと守っているようにみえる。
そういう意味で「おしゃれ」とか「かっこいい」とかいう言葉はにつかわしくないだろう。
地域性に基づく文化や環境を丁寧に吟味、取捨選択して
良質なサービスとホスピタリティを提供しようとするその姿勢は表層的な言葉では表せないし、
もっと深い問いを投げかけられているように感じるからだ。
「地域性や伝統性のうえに乗っからないサービス(表現)などあるだろうか?」
「お金をかけていることが分かりやすい形で表現されていないと
高級感や上質さは成立しないのだろうか?」
「本物とはなんだろう?フェイクとはなんだろう?或いは本質とはなんだろう?」と。
上記の問いは他同業種だけでなく芸術や建築やデザインを含む
全て表現活動にも向けられたもののように感じる。
そういう問いを投げかけれられることが他のリゾートとは一線を画し、
さらにはただのリゾートであることを超えているのだろう。
Amanにどうしようもなくはまってしまっている人のことを
アマンジャンキーというらしい。
困ったことに今回僕も行ってみて立派にジャンキーになってしまった。
その理由のひとつに問題を提起し、その解答をも同時に持つ
Amanの姿勢があるのは間違いないだろう。

図書館

図書館入り口付近

読書室

唯一リゾートっぽいプール
コメント:4
- まゆ 2011/08/19 5:04 PM
ほ〜ぅと息が漏れるほどいい雰囲気だね〜
職業病を抑えこむほどの居心地の良さとは☆
ぜひ一度, 味わってみたいです。でも, 味わったら最後なのか 笑>木は一本も切らない
ってとこがまたいいねっ- 樋口 2011/08/19 9:51 PM
実際はこの写真の数十倍いいですよー。
何でもいいものを知るってところから始まるので
今回はリゾートやデザインのことを考えるいい機会でした。
ま、最後って考え方もありますが。笑夢の民藝館+窯元巡りに世界のaman巡りも加えたいかな。
しかしこういう高級リゾートって
世界の事情を考えるとそう長くは存続できない気がしているので
老後より早めに実行しないと。- りん 2011/09/22 6:45 PM
すごすぎますね。
なんか、いいものを見なければ
美味しいものを食べなければいけない
美味しいものを食べなければいけない(リピート)
強迫観念に(笑)かられます。- higuchi 2011/09/24 7:55 PM
>りんちゃん
そうですか?
あんまり強迫観念的ではなく
楽しんでますよ。
amanでは食事する機会がなく残念。
りんちゃんみたいな
中国好きの人がamanをどう思うかも
気になります。
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