2012年11月

酉の市

商売繁盛を願って今年も花園神社の酉の市に行ってきました。
お目当ては熊手ですが、酉の市の雰囲気がたまらなく好きで毎年出掛けています。
行ったことある人はご存知かと思いますが
圧倒的なごちゃごちゃ感というかカオス感というかルツボ感です。。
普段は人ごみなんて絶対的に嫌いなものなのに
お祭りだと逆にそういうのを求める心理が不思議です。
前に進めないくらい人がいたり前後左右から押されたりするのがお祭りのリアリティかもしれません。
なんでなんでしょうね。

要するに「賑わい」を求めているからでしょうか。

バーゲンとかディズニーランドはただ混んでるだけですが
逆にお祭りだと賑わっていると思うのは
そこに「集う」という意味合いが含まれるからかもしれませんね。
コンサートなどのギャザリング系は何万人集まろうが混んでるとは思わないだろうし。

と、どうでもいいことを日頃から考えてしまいます。

いよいよ年末ですねー。

※ここで祝酒の大入を売ったら絶対売れるだろうと思うのですが、
このブログご覧の方に関係者いらっしゃいませんか。笑

金継ぎと湿度文化 1

趣味というよりは病気なのではと諦めている自分の性癖のひとつに器蒐集がある。

もともと食べることが好きで、よりおいしく食べるためには、いい器が必要で色々と集め出した。
ちょっとした料理でも、それなりの器に盛りつければ、
サマになる経験はどなたでもお持ちではないかと思う。

大きく捉えると、食べることは五感の内のひとつだけを使うのではなく、
自分が置かれている環境の中で味覚も含めた他の感覚も総動員して楽しむ体験だと考えている。

なのでどんなにおいしい料理でも、間違った環境や文脈で食べると間違った味になってしまう。
6畳一間のアパートに置かれたデコラの机で、名シェフが腕をふるった料理を
どんぶりで食べてもおいしくないだろう。
キャンプという状況で、料亭の吸い物を、金属性のカップに盛りつけても充分に楽しめないだろう。
6畳一間やキャンプが悪いわけでなく(キャンプにはカレーが合うだろうし)、
味覚を主体とした総合的な体験には、他の感覚も適切な状態であることが求められるからだ。

もう閉店してしまったスペインの名店「エル・ブリ」は
既存の料理を一度解体し、再構築する前衛的な手法で知られていた。
「ロズマリー風味の肉のロースト」を供する際に、
肉には香りを付けずに焼き、ロズマリーから抽出したオイルを
客の周りにスプレーすることで料理を完成させる。
風味さえも周りの環境へと再構築する大胆な手法にエル・ブリの神髄をみたような気がした。
(落語にもうなぎを焼く匂いでご飯を食べる話がありますね。ちょっと違うかな…いや、同じか)

日本の器の多様性と品質の高さは、器蒐集をする者にとって恵まれた環境であろう。
本格的という観点で洋の東西を見比べてみると、西洋では皿をセットで揃える必要があるが、
日本ではその必要はなく、逆に出自や脈絡を超えた集め方ができる。
センスさえよければ和懐石の席で年代と窯元が違う器を組み合せても問題ない。
(というかむしろその組み合せに妙があると言うべきかもしれない)
このことは日本に於けるオリジナルな器文化が育つことに大きく関わっているし、
もしこの自由度がなければ、
現在でもこれだけ多様な窯元が日本に存在することはできなかったと思われる。

なかなか主題に入って行かず、思わずタイトルを見直した方もいらっしゃることだろう。

ここまでは自分の趣味を正当化するためのまわりくどい言い訳で、
要するに日本にはいい器がたくさんあるので買いすぎて困ってしまうのだ。
民藝中心だけれども旅先でローカルな窯元があれば必ず立ち寄るし、
優れていれば個人銘でも買い求める。
骨董の領域にも興味はあるが、権威や能書きとは無関係な分「民藝」の方が純粋に楽しめると思う。

しかしこの趣味の問題はどんなに大事にしていても割れてしまう点だ。
眺めるだけではなく、実際に使うことが僕の器の楽しみなので
気に入った物ほどよく使い、比例して破損率も高くなる。

もちろん「花は散るから美しいし、器も割れるからこそ価値がある」のだろうと思う。
割れる「はかなさ」が内在しているからこそ大事にし、慈しみ、後世へと残そうとする。
よって器の美しさは割れることの裏返しであるとも言えるかもしれない。

もっとも日本文化には割れてしまった器でさえも、再びよみがえらせる方法がある。
知っている人は知っている「金継ぎ」という技法だ。
この技法は再び使える状態だけを目指すのではなく、
壊れたことをポジティブに捉え、価値を高めることを目的としている。
欠けや傷を同色ではなく、素材とは異なる金や銀などで繕うのはその為だろう。

数年前から始めた金継ぎが最近ようやくモノになってきた。

<続く>

金継ぎと湿度文化 2
金継ぎと湿度文化 終

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