2016年3月

日本酒のグローバル化とは?

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えーと、いきなりですが、みなさんはお酒は好きですか?

僕はけっして強くはないのですが、ほぼ毎日飲むくらいのお酒好きです。
甘い甘いサワー系やカシス割りなど以外は、だいたいどんなお酒もウェルカムで、
海外に行ったら、その国でつくられるお酒を飲むことはひとつの大きな楽しみであります。

日本酒の仕事をするようになってからは、仕事と称して、
それまであまり飲んだことがなかった国酒の領域に踏み込んでいます。
この世界も飲めば飲むほど奥が深く、山廃や生酛などのつくりの違いだけでなく
二度仕込みする貴醸酒や何年も寝かせる古酒など日本酒の概念を変えるお酒にも出会いました。

日本酒の魅力はいくつかありますが
そのひとつとしてだいたいの食事と合うという懐の広さがあると思います。
和食との相性は言うまでもなく、ステーキなどの肉料理や
ガッツリとニンニクが効いたイタリアンでも衝突することがありません。
寿司から世界中の料理までをカバーできる振り幅は大きなメリットだと思います。

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西洋の食中酒ワインの場合、魚介系との組み合わせが難しいという弱点があり、
特に生の魚介類の生臭さを強める有機酸塩が含まれているので、オールマイティではありません。
守備範囲の広さから言えば日本酒に軍配が上るのは間違いないでしょう。

しかしワイン(白)は辛口が多いですが、日本酒は甘口なんですよね。
食中酒は、マリアージュを楽しむだけでなく、口の中をさっぱりさせる目的もあることを考えると、
この甘さはプラスには働かないことが多いと思います。
また甘みが強いとたくさん飲みたいという欲求を抑えるので
酒飲みの人は日本酒の中でもあまり甘くない部類を好んでいるようです。
一時期流行った淡麗辛口というジャンルもそのことをよく知ったうえで、つくられたものでした。
ただ上手につくられた日本酒は、甘口であってもさらりとしていて舌に残りません。
最近では酸味を意識した日本酒も登場していて、よりさっぱりと楽しめるようになって来ました。

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で本題なのですが、日本人は日本酒とワインのどちらが好きでしょうか。

それはやっぱり日本酒でしょうと答えたいところですが、実はワインなのです。

きちんとマーケティング調査をしたわけではないので、正確な数字は持ってませんが、
そんなことくらいスーパーなどのお酒売り場をみればわかります。
お店の大きさにもよりますが、
だいたいワインの棚の方が日本酒の棚よりも3〜10倍くらいは広いでしょうか。
もちろん「消費量=好き」ということではないと思いますが、広さに加えて
ワイン売り場に並んでいる商品の充実ぶりを見ていると、情熱というのか愛情というのか、
この国の人は、日本酒よりもワインが好きなんだなあということがひしひしと伝わってくるのです。
日本酒売り場との落差は相当なものです。

ではなぜワインがこんなにも好まれているのでしょうか。

味について語っていくとキリがなさそうので、背景を見ることにします。
ワインには8000年とも言われる長い歴史があります。
それはただ単に歴史が長いということでなく、発祥の地とされる南コーカサスから、
世界中に広まる過程で、さまざまな酒と競合し、磨かれてきた側面があると思います。
例えばひとつの国の中で8000年つくられるのと、
さまざまな風土や文化の中で8000年つくられるのとでは、
結果にかなりの開きが出てくるでしょう。
つまりワインはそうとう古い時代から世界というマーケットの中で戦い抜いてきたわけです。

かたや日本酒はというと、稲作が始まったとされる縄文後期からカウントしても
2500年くらいしか経っていませんし、マーケットは単一の国だけでした。

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今後日本酒がどのようにグローバル化していけば良いのかは、先行のワインが教えてくれます。
国策などといって製造を日本国内で制限するのではなく、
海外に向けて積極的に門戸を開いて、
いろんな国で原料からつくる試みを行うことが大事だと思います。

まずはお米文化が浸透しているアジア圏からのスタートでしょうか。
一時的には輸出の面で日本は割り食うかもしれませんが、
マーケットが拡大し、日本酒の裾野が広がることは大きなメリットになると思います。

自分が生きてるうちに、いい意味で概念を覆す外国産の日本酒が飲めると嬉しいですね。

 

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