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デザイナー樋口賢太郎が
綴る日々のことです

質問力とは?

2022.06.30

 

ちょっとこのことはまだうまく言語化できていないが、がんばって書いてみようと思う。

 

誰でもふだんわからないときに気軽に「なぜ?」という質問をしているだろう。
数学の問題でもいいし、外国語でわからないときでもいいし、
なにか疑問に感じた際には、誰か知ってそうな人に質問をして、その答えを待つ。

 

とてもシンプルで日常的な行為だ。

 

ただ最近は質問をすることは簡単ではないと思っている。もっといえば、的を得た質問をすることはとても難しい。

 

これはなんというのか、逆説的に答えを知っている場合にしか、有益な質問ができないからではないだろうか。
と書くとややこしくなるが、つまり自分のなかで何がわからないか明確でないと、本当の意味での質問にはならないと考えている。

 

一番いい質問の仕方は、「答えは○○○でないかと思うんですが、違いますか?」というYes or No的な聞き方だろう。
自分の中でおおよその答えが見えていて、ほぼ確実だが、
いちおう確認しておこうくらいのスタンスの質問がベストだと思う。

 

逆にいい質問が出てこない場合ってのは、そもそも対象への正しい把握や認識ができていないことが多い。
これは相性の問題になるのでどうしようもなく、大きくは文系理系などにもわけられるかもしれない。
もともと人には視覚優位や聴覚優位などの認知特性があるので、
レオナルド・ダヴィンチのような万能人間以外は、向き不向きがどうしても生まれてしまう。

 

個人的には音楽への認識がいまだに曖昧でぼんやりしている。
音楽を聴くこと自体は好きなのだが、音階がどのように存在しているのか理解できないし、
楽器の音を聞き分けることも不得意である。
こういった状態だと、何を聞いていいのかわからず、質問の糸口を見つけるのさえ難しい。

 

また視覚優位性が高い仕事をしているが、立体認識は苦手である。
視覚優位の特性でも平面系と立体系があるらしく、平面系はグラフィックデザインや写真やイラスト、
立体系は建築やプロダクトデザインなどに分けられ、領域がクロスすることはあまりない。
確かにそれを聞くと両方の分野に秀でたデザイナーがいないのも納得できる。

 

話を元に戻すと、ある分野における向き不向きをはかる一番いい方法は、
わからないことがあった際に、どれだけ絞り込んだ質問をできるかという、質問力にあるのではないかと思っている。
向いているならば、本質的な質問ができるからだ。
そしてそういうひとは最初だけ誰かにアシストしてもらえれば、あとは自分だけで成長していくことができる。

 

スポーツでもそうだが、一流の選手はプライベートな世界観を持っていて、その世界観に沿ってプレイする。
他人の影響を受けず(つまり質問をせず)、自問自答を繰り返すことで独自の世界観が構築される。

 

いわんや芸術の分野も同じで、オリジナリティとは自分への質問力のことかもしれない。

 

 

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