すいせい

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このブログはデザイナー樋口賢太郎が綴る日々のことです

鎌倉、寺逡巡

2026.02.28

鎌倉に住んでいるにも関わらず、名所旧跡は意外と周らないことにだんだんと気付いてきました。
日常的過ぎるのか、あるいはいつでも行けると思うからなのか逡巡してしまいます。
お寺もそのひとつで、訪れないまますぐに時間が経ってしまいそうです。
これはよくないと鎌倉に90ある全部のお寺を巡ることにしました。

鎌倉といえばお寺、なんの新規性も独自性もない自分のための備忘ログです。

◎第一回

円覚寺

〒247-0062

神奈川県鎌倉市山ノ内409

読み:えんがくじ

開基:北条時宗

宗派:臨済宗円覚寺派

創建:1282年

初回をどこにしようか迷ったんですが、とりあえず近場で、有名なところを選んでみました。

(このログのスタンスとして歴史云々の話は上くらいにとどめて、お伝えできればと考えています。
そういった情報はググればいくらでも出てきますし、他でもっと上手にまとめられていると思いますので)

ここは鎌倉五山に数えられる有名なお寺なので、行ったことがあるかたもたくさんいらっしゃると思いますし、
(記憶がないだけで)自分ももしかしたらだいぶ昔に一回くらいは行ったことがあるかもしれません。

円覚寺は、いわゆる谷戸と呼ばれる、三方を山に囲まれた扇形の地形に位置しています。
一番手前の門がある開けたエリアから、山の奥の三角の狭い部分まで登っていくグランドデザインになっており、
それがまずこのお寺の見どころで、大きな特徴=アイデンティティだと感じました。
おそらく禅寺の特性として、意識がぐっと自分に集中していく仕組みを地形として取り入れているのかもしれないと思いました。

こういうのは鎌倉ならではですね。

一番手前には川や池がある

登っていく間にぽつんぽつんと、山門や仏殿、塔頭などが散在しています。

建立されてから700年くらいですが、苔むした石や建物などからは歴史の層みたいなものが伝わってきます。
古いものがいいのではなく、良いものを残そうとするから古くなる。
骨董のありかたと似てますが、継承されているものを目にするとやはりいいなあと思います。
樹齢を感じる大きな木立の間は清浄な空気にたっぷりと満たされており、
気候がよくなったら置かれたベンチで読書などをすると気持ちが良さそうです。

だいたい一時間くらいかけて周りました。

◎他に見所だと感じたところ

山門

規模的にはそんなに大きくはないかもしれないですが、密度感がある垂木とそれを支える柱が木造建築の良さを再認識させてくれます。
構造と機能が直結してることが目視できる建物はやはりいいです。

百観音霊場

石でできた観音様が不思議なフォーメーションで配置されており、場の力というか、独特のオーラを放っています。
石板に細い線で掘られらものから、手彫りのものまで様々バリエーションが豊かで、様式が統一されていないのがいいなと思いました。
ここでは巧拙も関係なく受け入れていて懐の広さや大らかさを感じます。
民藝的なたたずまいの素朴な観音様も鎮座されていてほのぼのしました。

藁葺き屋根の数々

茅葺き屋根があると気持ちがぐっと豊かになります。一番良いなと思ったのは漱石もゆかりがある帰源院の門でしたが、
細い茅を束ねて積層させることでしか生み出せないボリューム感には改めて説得力を感じました。
やはり茅葺屋根はボリュームですね。まるでこんもりと雪が積もったような嵩(かさ)の高さがいい。
個人で藁葺き屋根を所有することはなかなか困難な時代になったので、こういうところでぜひ保存していってもらえたらと願います。

弁財天からの眺め

急峻な階段を登っていくと弁財天が祀られたお堂があり、そこからの眺めがいいです。
中にいるとずっと近距離ばかり見ていますが、終盤で急に視界が開けます。見せ方の緩急がうまく図られていて、にくい演出だと感じました。

あと今回は行けなかったですがここには国宝の舎利殿があります。
お正月やGWなどにしか開帳していないらしいのでタイミングを見て改めて再訪したいと思います。

もっとさらっと書こうと思っていたのですがけっこう長くなってしまった。

以上鎌倉、寺逡巡でした。

◎残りのお寺の数:89

※鎌倉にあるお寺の数は数えかたによって変わってきます。
ここでは檀家でなくて訪れることが許可されているお寺を対象とし、中に塔頭があってもひとつのお寺とカウントしています。

和火やってます。

作家活動のインスタやってます。

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