すいせい

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デザイナー樋口賢太郎が
綴る日々のことです

今年の抱負

2020.02.17

最近よく思うのがプロセスの大事さ。
きちんとしたプロセスを経ているかどうかは、もしかしたら結果よりも大事かもしれない。

 

例えばスポーツの試合をしていて実力はないのにまぐれで勝ってしまう場合と
長年努力をし、実力があるのに負けてしまう場合ではどちらに価値があるだろうか。

 

勝ち負けという二元論で言うと勝ちのほうに価値があるということになる。
しかしまぐれ勝ちはあくまで偶然なので後が続かない。
一方の実力があるのに負けてしまったほうは、その後、勝つ可能性がじゅうぶんにある。

 

勝ち負けじゃなくても同じことが言えると思う。
第一志望の学校や会社に受からなくても、入った先で自分のペースで努力しつづければ、
その後の人生は実りあるものになる可能性は高い。
第一志望に運良く入れてしまった場合は、求められる要求の高さについて行けないかもしれない。

 

もちろん勝負事として勝たなくてはいけない局面もあるかもしれないが
意味のない勝ちと意味のある負けがあったら、自分は後者が大事だと感じている。

 

ただ単に勝ちを目標とするのではなく、いかに豊かなプロセスを経ながら実力をつけていくか。
直線的にではなく、曲線的にいろんな経験を積みながらぐねぐねと目標に近づくか。

 

ただの勝ちを目指すよりも、いろいろと考えなくてはいけないぶん簡単ではないが、
今年はそのようなことを意識的に考えてみようと思う。

 

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子年

2020.01.01

本年もよろしくお願いいたします。
 
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樋口賢太郎 
 
 
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下記の通り、休みをいただきます。
ご不便をおかけしますが、ご理解いただきますと幸いです。

◎年末年始休業期間 
2019年12月31日(火)~ 2020年1月7日(火) 

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発送準備

2019.11.18

ようやくという感じですが、工場の一角をお借りして和火の発送しております。
本格的に寒くなる前に発送が開始できてよかった。

同じデザインでもプロダクトデザインは専門外なので
いろいろと予想外のことが起こり、だいぶ遅れてしまいました。

今回のプロジェクトでは、商品コンセプトを決めるところから始めて、
素材などのセレクトやエンジニアリング、
プロダクトデザインやグラフィックデザイン、ブランド名の開発、写真、テキスト、
炭の調達まで全部自前でやっています。(あ、あとウェブもやらなくては…)
仕事量が多く大変でしたが、その分充実感もあり、
なんとか自分が納得するレベルに着地することができました。

あとは買っていただいたお客さんに満足して使ってもらえるか。
一番大事なことですね。

悩みは尽きませんが、最近ほんの少しだけ
メーカーの社長さんの気持ちが理解できるようになりました。
いやー、メーカーってホントすごいですよ。

当たり前のことですがメーカーあってのデザイナーだと感じ入っております。

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たのしい通勤

2019.05.24

今年の4月から母校の多摩美で教えることになり、上野毛に通っている。

 

多摩美は、八王子と上野毛(世田谷区)に校舎があり、いま教えているのは上野毛にある統合デザイン学科の方で、
家から割と近場なのだが、いかんせん交通アクセスが悪く、どうやって通勤しようかしばらく考えていた。

 

とは言え電車を使えば1時間くらいのものなのだが、それにはあの悪夢のような渋谷駅を通らなければならない。

 

長年自宅兼のオフィスで仕事をしていると、地下鉄に乗ることがほんとうに億劫になってくる。
電車に乗れない病気とまではいかないが、車内や駅での混雑と乗り換えのハードルを高く感じてしまい、
移動手段として電車をなるべく避けるように暮らしている。
なんというか東京の生活にアダプトするということは、地下鉄移動にアダプトすることとほぼ同義なのではないだろうか。
そういう意味では20年以上住んでいるが、東京の生活にはまだまだ馴染んでいない。

 

ま、そんなこんなで思案していたのだが、いろいろと検討した結果、写真の折りたたみ自転車で通うことにした。
所要時間も30分たらずで、いまの季節は気持ち良い。
折りたたみにしたのは、雨が降った際などにタクシーや交通機関でも運べるから。

 

持ち運び用の収納袋はこれくらいの大きさに収まる

 

サドルとグリップとペダルは予めカスタムされていた

 

乗っているのはBROMTONというイギリス製のミニベロ(小径車)で、だいぶ悩んで買ったが正解だった。

 

10秒あればコンパクトに折りたためる構造もよくできているし、肝心の乗りやすさについては、ミニベロだが普通の自転車と遜色ないと思う。
もちろん大きいホイールのような進みやすさはないけれども、東京だと意外とSTOP & GOが多いので
小径車の方が走り出しが軽く、ギアも6段あり坂道も割と苦にならない。
ディティールも美しく、合理的な形をしていて、あぁ、この自転車をつくっている人たちはつくづく自転車が好きなんだなあという、
Appleの製品などに感じるのと同じ印象を受ける。

 

空気入れまで付いている

 

イギリスはどちらかと言うと、ピューリタン的生真面目なモノづくりというイメージがあるので、
やや面白みに欠ける印象があるが、生真面目さが実直さと結びつくと強いと思う。
質実剛健と言うのか、かっこつけようとする余計な自我を、生真面目さが遠ざけている効果もあるだろう。

 

GLOBE-TROTTERという旅行カバンもイギリスのブランドで、これにも実直な美しさを感じ、長年愛用している。
自我からの距離感という意味ではイギリスのモノづくりは民藝的なのかもしれない。

 

残念な点としては、グラフィック関係がややお粗末なところ。
BROMPTONのロゴのタイプフェイスはまあいいとして、四角の縁取りはちょっとどうかと思う。
空気入れにもあるアイコンのようなものが、パーツのいろんなところにあるのもうるさく感じる。
こんなにたくさん入れる必然性があるのだろうか?(たぶんない)。
専門なのでこのあたりはどうしても厳しく見てしまう。

 

あとは盗難の心配が頭をよぎる点だろうか。
安くはない自転車なので、地球ロック(物理的に動かせないモノと固定すること)できない場合は長時間の駐輪は避けたくなってしまう。
BROMPTONにはママチャリと同じような気軽さはないかも知れない。

 

しかしまあ日本では自転車の盗難率はそれほど高くないので、なるべくポジティブに捉えて、楽しみ尽くそうと思う。
ただポジティブになり過ぎて、自転車沼にハマり、高いカスタムパーツを買ってしまわないように注意しながら。

 

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