日本の農業の未来 2
2009.12.17
彼らが考えていることは、世の中に潜在的にいる農業をやりたい人々を後押しし、
農業に従事させるというものでした。
これだけだと普通の話です。
彼らの視点が面白かったのは、実家が農家の人々を中心に後押しをするという点でした。
農業を始めるには当然のことながら農地が必要です。
普通のサラリーマンが農業を始めたいと思っても
農地法により簡単には農地を取得することが難しいのが日本の現状です。
しかし実家が農家なら明日にでも始められます。
それに親からの相続なら農地法に関係なく農地を相続できます。
また最初は収入がなくても実家だと家賃も食費もかかりません。
地域の人はみんな顔見知りで、技術指導は親から受けられる環境にいる
農家の息子・娘はこれ以上ない担い手という訳です。
彼らの団体名はそのまま「農家のこせがれネットワーク」といいます。
段々とプロジェクトの話を聞くにつれ、「こせがれを農家に戻すこと」だけでなく
日本の農業をも変えたいという意思を持っていることが分かりました。
日本には耕作放棄地という使われていない農地が39万ヘクタールもありますが
その耕作放棄地をゼロにしたいというプロジェクト、
ビジネス社会で戦っていける農家を育てるプロジェクト、農業指導の学校をつくるプロジェクト、
美味しくて安全な野菜をきちんとブランド化し新しい流通経路まで開拓するプロジェクト、
等々話をお聞きしていると「こせがれを実家に戻す」という話では 収まりきれなくなってきました。
その時のご依頼は「農家のこせがれネットワーク」のロゴマークと 団体の活動が分かるウェブサイトだけでした。
しかしそのような大きなビジョンを持っていると
今後「農家のこせがれネットワーク」という屋号の元で活動していくのは 難しくなっていくでしょう。
そこで新しいプロジェクトの名称を考えるところからスタートできないかとご相談してみました。
彼らの返事は「yes」でした。
次回に続きます。